
はじめに
ドジャースに移籍して2年目を迎えた山本由伸投手は、史上最高額クラスの長期契約で一躍“世界が最も稼ぐ日本人投手”となりました。本記事では「山本由伸 年収深掘り」をキーワードに、契約金の内訳からスポンサー料、税金を差し引いた手取り推定まで、多角的に分析します。
ドジャース契約概要:MLB史上最長級12年3億2,500万ドル
2023年12月に締結した12年総額3億2,500万ドル(約4,950億円・1ドル=152円換算)の超大型契約は、サインボーナス5,000万ドルを含む完全保証型です。年平均2,708万ドルという数字は、投手として歴代2位のAAVであり、日本出身選手では初めてサラリーキャップ水準を突き抜けました。
2025年の実質年俸:基本給1,000万ドル+出来高でいくら増える?
契約2年目となる2025年の基本給は1,000万ドルです。出来高として
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シーズンMVP:25万ドル
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サイ・ヤング賞:75万ドル
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オールスター選出:10万ドル
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イニング到達ボーナス(200回):20万ドル
が設定されており、仮にすべて達成した場合、最大1,330万ドル(約20億円)に到達します。
バックロード構造:2027年以降は年俸2,600万ドルオーバーへ
山本投手の契約は24年5百万→25年1千万→26年1,200万ドルと低めに抑え、27〜29年は2,600万ドル、30〜31年は2,900万ドル、32年以降は2,800万ドルに増額される“後ろ倒し型”です。これはドジャースがOhtaniらと並行して贅沢税ラインを調整するための戦略と考えられます。
サインボーナス5,000万ドルの扱いとキャッシュフロー
ボーナスは24年2月までに2,000万ドル、同年7月までに3,000万ドルが一括払いされており、25年以降のキャッシュフローには含まれません。ただし平均年俸計算ではボーナス分が均等配分されるため、ラグジュアリータックス上は年間2,708万ドルの計上となります。
MLB以外の収益源:スポンサー料は年間約700万ドル
渡米後もアシックス、ポカリスエット、SMBCグループなど日本企業の広告契約を維持しており、さらに米国ではロサンゼルス現地のカーシェア企業やスポーツドリンクブランドと新規スポンサー契約を締結。総額は推定700万ドル規模で、パブリック露出とともに段階的に増加しています。
為替影響:円安が年収公表額に与えるインパクト
2025年6月時点で円相場は1ドル=152円前後。これによりMLBサラリー換算額は2024年比で約4%目減りし、スポンサー料の多くを円建てで受け取る山本投手は為替差益の恩恵も限定的です。総収入の約85%をドル建てで受け取るため、円ベース年収は為替に左右されやすい構造となります。
税金シミュレーション:連邦+州+“ジョックタックス”を差し引くと?
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連邦所得税(最高37%)
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カリフォルニア州所得税(最高13.3%)
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遠征先で課されるジョックタックス(平均3%相当)
を合算すると、理論上の税負担率は約48%。2025年の基本給1,000万ドルに各種出来高200万ドルを加えた1,200万ドルが課税対象になると仮定すると、手取りはおよそ6,240万ドル(約95億円)の半分となります。ここからエージェント手数料(3〜5%)や年金掛金を引くと、可処分所得は5,000万ドル弱に圧縮されます。
比較:同世代スター投手との年収格差
投手 | 2025年基本給 | 契約総額 | 平均年俸 | 備考 |
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山本由伸 | 1,000万$ | 3億2,500万$ | 2,708万$ | 契約2年目 |
ゲリット・コール | 3,600万$ | 3億2,400万$ | 3,240万$ | 19~28年 |
ブレイク・スネル | 3,000万$ | 1億5,000万$ | 3,000万$ | 24~28年 |
千賀滉大 | 1,300万$ | 7,500万$ | 1,500万$ | 23~27年 |
基本給だけで見ると山本投手は「まだ割安」ですが、後年の増額で実質トップクラスへと上り詰める設計です。
まとめ
2025年の山本由伸投手は、MLB基本給1,000万ドル+出来高上限330万ドル+国内外スポンサー料700万ドルと試算され、最大2,030万ドル(約308億円)の総収入が見込まれます。後年は基本給が跳ね上がり、スポンサー料も国際的に拡大する可能性が高く、名実ともに“球界最高給投手”への道を歩んでいます。今後は成績次第でサイ・ヤング賞やポストシーズン賞金も加わり、年収3,000万ドル超えが現実味を帯びてきます。長期契約のキャッシュフローをどう運用し、ビジネス展開につなげるのか——山本由伸投手の“マネーゲーム”にも注目が集まります。